円建てLLM APIという選択肢|為替・手数料・経理の悩みを断つ

この記事の要点
- 海外のLLM APIは、多くがドル建てで請求されます。使う量が同じでも為替で円の請求額が毎月変わり、カード払いにはカード会社の海外事務手数料が上乗せされます。
- 経理の側では、ドル建ての請求書とカード明細の照合、円への換算、提供元ごとの適格請求書の確認が毎月発生します。
- 円建てのLLM APIなら、稟議で承認した金額、実際に支払う金額、請求書に載る金額が、同じ円の数字になります。
- FastMetalは円建てのプリペイド方式なので、為替で金額が動かず、カードの海外事務手数料もかかりません。カードまたは銀行振込(前払い)で¥500から購入でき、購入のたびに適格請求書を発行します。
- 95以上のモデルを1つのAPIキーで使い分けても、請求書の発行元は株式会社国際調達情報の1社にまとまります。
APIの代金を円で払うと何が変わるのか。この記事では、ドル建てのLLM APIを日本のチームが使うときの負担を、為替、カード手数料、月末の照合、稟議、適格請求書の順に整理し、FastMetalの円建ての請求を紹介します。社内で説明するときの材料としてお使いください。
ドル建てのLLM APIで起きる3つの負担
海外のモデル提供元のAPIは、料金表も請求もドル建てが中心です。日本の会社が払うと、使った量とは関係のないところで金額と手間が増えます。
同じ使い方でも、円の請求額が毎月変わる
トークンの消費量が先月と同じでも、円安に振れれば円の請求額は増えます。カード払いの場合、円への換算に使われるのは、カード会社が売上データを処理した日のレートです。使った日から数日ずれるため、明細が届くまで円の金額は確定しません。予算を円で組んでいるチームでは、使い方を変えていないのに予算の消化が早まる、ということが起こります。
カード払いには海外事務手数料が加わる
外貨建てのカード決済には、為替の換算とは別に、カード会社が定める海外事務手数料が上乗せされます。率はカード会社ごとに異なるため、お使いの法人カードの規定をご確認ください。ドルで払い続ける限り、毎月かかる費用です。
月末の照合と円換算が経理に残る
ドル建ての請求書と、円で引き落とされたカード明細は、金額がそのままでは一致しません。経理担当者は、社内で決めた換算レート(一般には取引日の仲値)で円に直し、請求書と明細を突き合わせます。提供元がインボイスに記載した消費税額と、自社の帳簿で円換算した消費税額が数円ずれることもあり、そのつど原因を確かめる手間が生じます。使う提供元が増えれば、この作業も提供元の数だけ増えます。
稟議と経理で聞かれること
LLM APIを会社で使い始めるとき、決裁者や経理から聞かれることはおおむね決まっています。円建てなら、どれも答えやすくなります。
稟議:毎月いくらかかるのか
ドル建てのAPIでは、ドルで見積もった金額をその日の為替で円に直して申請します。実際の請求は為替次第で上下するため、承認額との差をあとから説明することになります。円建てのプリペイドなら、承認された金額で残高を購入し、その範囲で使います。購入した残高がそのまま支出の上限になるので、承認額を超える請求は起きません。利用量の見積もりにはコスト計算ツールもお使いいただけます。
適格請求書:仕入税額控除を受けられるか
仕入税額控除を受けるには、原則として適格請求書(インボイス)の保存が必要です。海外の提供元でも、日本で適格請求書発行事業者の登録を受けていれば、その請求書で控除を受けられます。2026年10月6日時点では、OpenAIもAnthropicも登録を受けており、日本の消費税を加えて請求しています。両社の案内では、請求の通貨はどちらもドルのままで、円で記載されるのは消費税額です。手続きの詳細はOpenAIのインボイス(適格請求書)とClaude(Anthropic)のインボイスの記事にまとめています。
登録を受けていない国外事業者への支払いは、原則として仕入税額控除の対象になりません。使うモデルの提供元を増やすたびに、国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトで登録の有無を確かめる必要があります。
ドル建てと円建ての比較
| 観点 | ドル建てのLLM API | 円建てのLLM API(FastMetal) |
|---|---|---|
| 請求の通貨 | 米ドル | 日本円 |
| 円の支払額が決まる時点 | カード会社が処理した日のレートで決まる | 購入した時点で円で確定 |
| 外貨の換算 | 毎回発生し、カード会社の海外事務手数料が加わる | 円で支払うため換算はなく、海外事務手数料もかからない |
| 適格請求書 | 提供元ごとに登録を確認 | 購入のたびに1社から発行 |
| 支払い方法 | 提供元の規定による | カード、銀行振込(前払い) |
| 費用の上限 | 提供元ごとの設定による | 購入した残高が上限 |
FastMetalの円建ての仕組み
FastMetalは、95以上のLLM・生成AIモデルをOpenAI互換とAnthropic互換のAPIで呼び出せる、日本のAIゲートウェイです。料金表も請求書も円で書かれています。
円の料金表と、円のプリペイド残高
費用は使った分だけです。料金ページには、モデルごとに100万トークンあたりの入力単価と出力単価を円で掲載しており、使ったトークン数に応じて残高から差し引かれます。画像は1枚ごと、動画は1本ごとの料金です。購入したクレジット額がそのまま残高になり、消費税は購入時に加算されます。残高を使い切るとリクエストは拒否されるため、購入額を超える請求は起きません。前払いで支出に天井を設ける考え方は、プリペイド型APIの入門記事で詳しく解説しています。
カードでも銀行振込でも、¥500から
支払い方法は2つあり、どちらも最低購入額は¥500です。
- クレジットカード:Stripeで決済し、残高にすぐ反映されます。円建ての決済なので、カードの海外事務手数料はかかりません。カード情報はFastMetalには保存されません。
- 銀行振込(前払い):振込を選ぶと、お客様専用の振込口座を記載した適格請求書がその場で発行されます。支払期限は14日間で、入金が確認されると自動で残高に反映されます。当社へのご連絡は不要で、振込手数料はお客様のご負担です。
社内の支払いが銀行振込に限られている会社でも、そのまま購入できます。手順は銀行振込(前払い)の流れをご覧ください。
適格請求書は購入のたびに1社から
クレジットを購入するたびに、カード払いでも銀行振込でも適格請求書を発行します。発行元は運営会社の株式会社国際調達情報で、登録番号はT5010001015990です。Claude、GPT、DeepSeekのどのモデルを使っても、請求書の発行元はこの1社です。提供元ごとに登録番号を調べ、通貨の違う請求書を並べて照合していた作業が、円の請求書1種類の確認で済みます。
チームごとに予算を分ける
APIキーは複数発行でき、キーごとに残高の上限を設定できます。部署やプロジェクトごとにキーを分ければ、稟議で承認された金額をそのままキーの上限にできます。ダッシュボードではモデル別、日別の利用状況を確認でき、残高が少なくなったときと使い切ったときにはメールが届きます。法人での導入時によく確認される項目は、法人向けページに一覧でまとめています。
よくある質問
円建てにすると、使えるモデルは限られますか
FastMetalでは、25のプロバイダーの95以上のモデルを1つのAPIキーで呼び出せます。Claude、GPT、Gemini、DeepSeek、GLM、Kimiを含め、どのモデルも同じ円の残高から支払います。
為替が動くと、支払う金額は変わりますか
支払う金額は購入した時点で円で確定し、その後の為替では変わりません。購入した残高も円のままです。モデルごとの円の単価は改定されることがあるため、最新の値は料金ページでご確認ください。
月末締めの請求書払い(後払い)はできますか
対応しているのは前払いのみです。請求書を受け取ってから振り込む流れが必要な場合は、銀行振込(前払い)をお選びください。専用の振込口座を記載した適格請求書がその場で発行され、支払期限は14日間です。
カード払いでも適格請求書は発行されますか
発行されます。カード払いでも銀行振込でも、クレジットを購入するたびに、登録番号T5010001015990の適格請求書を発行します。消費税は購入時に加算されます。
既存のコードを書き換える必要はありますか
ベースURLとAPIキーを差し替えるだけで動きます。OpenAI互換のベースURLはhttps://api.fastmetal.ai/v1、Anthropic互換はhttps://api.fastmetal.aiです。
残高がなくなるとどうなりますか
残高を使い切るとリクエストは拒否され、購入額を超える請求は起きません。残高が少なくなったときと使い切ったときにメールでお知らせするので、止まる前に買い足せます。
FastMetalを円建てで試す
アカウントの作成は無料で、無料モデルは¥0で試せます。有料モデルは¥500からのクレジット購入で使い始められます。