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コラム

Qwen3.8 Max vs Claude Opus 5:ベンチマークと実際の請求額で比べる

FastMetal

2026年8月3日、Alibaba が Qwen3.8 Max を公開しました。2.4兆パラメータの MoE で、エージェント的な操作のベンチマークでは各社のフラッグシップを上回ると主張しています。比較対象として自然なのは、7月に公開された Anthropic の Claude Opus 5 です。

先に結論を書きます。難易度の高いコーディングを一発で通したいなら Opus 5、長い文脈を大量に流す作業なら Qwen3.8 Max という構図です。そして両者の差は、ベンチマークの数字よりも請求額のほうが大きく開きます

スペックと単価

項目Qwen3.8 MaxClaude Opus 5
提供元AlibabaAnthropic
モデルID(FastMetal)qwen3.8-maxanthropic-claude-opus-5
構成2.4兆パラメータ MoE(アクティブ 95B)非公開
文脈長100万トークン100万トークン
入力テキスト・画像テキスト・画像・ファイル
入力 100万トークンあたり約357円約900円
出力 100万トークンあたり約1,072円約4,502円

(単価は 2026年8月7日時点の FastMetal の円建て価格です。最新はモデルカタログでご確認ください。)

ベンチマークの比較

公表されている数字を並べると、得意分野がきれいに分かれます。

評価Qwen3.8 MaxClaude Opus 5
SWE-bench Verified(コード修正)96.0%
SWE-bench Pro(難易度の高いコード修正)67.7%79.2%
GPQA Diamond(専門分野の科学問題)92.6%84.1%
OSWorld-Verified(コンピュータ操作)86.1
Terminal-Bench 2.1(ターミナル作業)86.6

いずれも提供元の公表値です。コード修正では Opus 5 が明確に上、専門的な知識問題では Qwen3.8 Max が上、という結果になっています。

公表値をそのまま信じない

Qwen3.8 Max のエージェント系スコアには、注意すべき点が報じられています。Alibaba のコーディング系ベンチマークの脚注には、1問あたり5時間のタイムアウトが設定されている一方、独立した第三者の検証環境では 45〜60分の制限で実行され、そこでは Qwen3.8 Max は最良設定でも中位、既定設定では最下位という結果が出ています。

つまり、公表値の 86.1 や 86.6 という数字は「時間とトークンをたっぷり使えば届く上限」に近く、実務でエージェントを回したときの体感とは別物である可能性があります。この差は Qwen に限った話ではありませんが、時間制限が明示されている以上、割り引いて読むのが妥当です。

Claude Opus 5 側の注意点は、まず単価の高さです。それに加えて、思考(thinking)が既定でオンのため、max_tokens を小さく設定していると応答が途中で切れることがあります。エージェントとして走らせるときは余裕を持たせてください。

実際の請求額の差

ベンチマークより差が分かりやすいのがコストです。入力 20万トークン・出力 2万トークンという、まとまったコードベースを読ませて修正案を書かせる規模の1タスクで比べます。

モデル1タスクあたりの概算
qwen3.8-max約93円
anthropic-claude-opus-5約270円

約2.9倍です。1日に20回このタスクを回すなら、月あたりでおよそ 3.7万円と 10.8万円の差になります。Opus 5 の精度がその差を正当化する場面は確実にありますが、すべてのタスクで正当化されるわけではないというのが実務の結論になりやすいところです。

使い分け

  • Qwen3.8 Max が向くケース — 長い文脈を大量に流す処理、ログや資料の一括解析、コストを抑えたい定型的なエージェント作業、画像を含む入力。
  • Claude Opus 5 が向くケース — 複数ファイルにまたがる難しい実装やリファクタリング、レビューやバグ発見、失敗のやり直しコストが高い作業。
  • 現実的な組み立て — 下読みと絞り込みを Qwen3.8 Max、最終的な実装判断を Opus 5 に任せる二段構えです。入力トークンが支配的な工程を安いモデルに寄せるだけで、請求額は大きく下がります。

両方を同じキーで試す

どちらが自分のコードベースに合うかは、自分のプロンプトでしか分かりません。FastMetal では同じ API キー・同じ円建て残高のまま model を差し替えるだけで比較できます。

# Qwen3.8 Max
curl https://api.fastmetal.ai/v1/chat/completions \
  -H "Authorization: Bearer $FASTMETAL_API_KEY" \
  -H "Content-Type: application/json" \
  -d '{"model": "qwen3.8-max", "messages": [{"role": "user", "content": "こんにちは"}]}'

# Claude Opus 5(model を差し替えるだけ)
curl https://api.fastmetal.ai/v1/chat/completions \
  -H "Authorization: Bearer $FASTMETAL_API_KEY" \
  -H "Content-Type: application/json" \
  -d '{"model": "anthropic-claude-opus-5", "messages": [{"role": "user", "content": "こんにちは"}]}'

よくある質問

Q. 結局どちらが優秀ですか? コード修正の精度では Claude Opus 5、専門知識を問う問題とコストでは Qwen3.8 Max が優勢です。用途によって答えが変わるため、実際のタスクで比較することをおすすめします。

Q. Qwen3.8 Max はオープンウェイトですか? Alibaba はオープンウェイト版の公開を予告していますが、記事執筆時点では未公開です。FastMetal ではホスト型 API 経由で提供しています。

Q. 日本語の品質はどちらが上ですか? 日本語に特化した公開ベンチマークは両モデルとも確認できませんでした。日本語が中心の業務では、実際のプロンプトで検証してください。

まとめ

Qwen3.8 Max は、フロンティア級の性能を Opus 5 の3分の1程度の費用で使える選択肢です。ただしエージェント系の公表値は寛容な時間制限のもとで測られており、そのまま実務の性能とは読めません。難所は Opus 5、量は Qwen3.8 Max という組み立てが、いまのところ最も無駄が少ない使い方です。

各モデルの詳細は Qwen3.8 Max の紹介Claude Opus 5 レビューを、対応モデルの一覧はモデルカタログをご覧ください。

Qwen3.8 Maxを今すぐ試す

Qwen3.8 MaxはFastMetalのAPIキー1つで利用できます。ブラウザですぐに試す、またはOpenAI SDKからそのまま呼び出せます。