Hermes vs OpenClaw:オープンソースのエージェント2つを1つのキーで使い分ける
オープンソースのエージェントを試すとき、最初に迷うのが「どれを入れるか」です。Hermes と OpenClaw はどちらもよく名前が挙がりますが、実は狙っている領域が違います。この記事では両者の違いと、それぞれを FastMetal に繋ぐ設定をまとめます。
結論から言うと、コードを書かせるなら Hermes、常駐させて雑務を任せるなら OpenClaw です。そして両方ともモデル非依存なので、FastMetal の API キー1つで両方を動かせます。
それぞれ何をするツールか
Hermes(Nous Research)は、ターミナルで動くコーディングエージェントです。MIT ライセンスのオープンソースで、CLI と TUI があります。手元のリポジトリに対して、読んで・書いて・テストを回す、という使い方が中心です。
OpenClaw は、常駐する自律エージェントの基盤です。2025年11月に個人プロジェクト「Clawdbot」として始まり、改名後に GitHub で急速に広がりました。メッセージングアプリを主な操作画面として、ブラウザ操作・シェル実行・ファイル管理・API 呼び出しをこなします。「エディタの中の相棒」ではなく「常駐している作業者」に近い立ち位置です。
| 項目 | Hermes | OpenClaw |
|---|---|---|
| 主な用途 | コーディング | 常駐して雑務全般・コンピュータ操作 |
| 操作画面 | ターミナル(CLI / TUI) | メッセージングアプリ等 |
| ライセンス | オープンソース(MIT) | オープンソース |
| 設定ファイル | ~/.hermes/config.yaml | ~/.openclaw/openclaw.json |
| モデル | 非依存(任意の互換API) | 非依存(任意の互換API) |
| MCP クライアント | 対応 | 対応 |
| 課金 | 使ったモデルの分だけ | 使ったモデルの分だけ |
Hermes を FastMetal に繋ぐ
~/.hermes/config.yaml に名前付きプロバイダーとして追加します。
providers:
fastmetal:
api: https://api.fastmetal.ai/v1
key_env: FASTMETAL_API_KEY
transport: chat_completions
default_model: anthropic-claude-sonnet-5
model:
provider: custom:fastmetal
default: anthropic-claude-sonnet-5
キーは ~/.hermes/.env に FASTMETAL_API_KEY=... の形で置きます。セッション中は /model custom:fastmetal:qwen3.8-max のように切り替えられます。
くわしい手順とサブスクリプションとの費用比較は Hermes × FastMetal:サブスクなしでエージェントを回すにまとめています。
OpenClaw を FastMetal に繋ぐ
~/.openclaw/openclaw.json の models.providers にカスタムプロバイダーとして追加します。OpenAI 互換なので api は openai-completions です。
{
"models": {
"providers": {
"fastmetal": {
"baseUrl": "https://api.fastmetal.ai/v1",
"apiKey": "${FASTMETAL_API_KEY}",
"api": "openai-completions",
"timeoutSeconds": 300,
"models": [
{
"id": "anthropic-claude-sonnet-5",
"name": "Claude Sonnet 5",
"input": ["text", "image"],
"contextWindow": 1000000,
"maxTokens": 64000
}
]
}
}
},
"agents": {
"defaults": {
"model": { "primary": "fastmetal/anthropic-claude-sonnet-5" }
}
}
}
ポイントは、プロバイダーを定義するだけでは足りないことです。models 配列に使いたいモデルを1つずつ書き、agents.defaults.model.primary で選んで初めて使えます。CLI からも設定できます。
openclaw models list
openclaw models set fastmetal/anthropic-claude-sonnet-5
常駐型エージェントと従量課金の相性
ここが実務で一番効く話です。OpenClaw のような常駐型のエージェントは、こちらが見ていない間もトークンを使います。通知に反応し、定期的に確認し、失敗すればやり直します。サブスクリプションなら使いすぎても定額ですが、従量課金では請求に直結します。
FastMetal はプリペイド式なので、ここが構造的に安全です。入金した残高を超える請求は発生しません。エージェントが想定外のループに入っても、被害は残高までで止まります。常駐させる使い方こそ、上限のある課金形態と組み合わせるべきです。
運用のコツは、役割ごとにモデルを分けることです。
- 常時走る監視・分類・要約 →
deepseek-v4-flashやgemini-3.5-flashのような軽いモデル - 実装やレビューなど判断が要る作業 →
anthropic-claude-sonnet-5、qwen3.8-max、anthropic-claude-opus-5
同じキーのまま model を変えるだけで、10倍以上の単価差を使い分けられます。最新の単価はモデルカタログでご確認ください。
つまずきやすい点
- OpenClaw:モデルを書き忘れる — プロバイダーを足しただけでは選択肢に出ません。
models配列への記載が必要です。 - Hermes:
custom:を付け忘れる —model.providerはcustom:fastmetalです。素のfastmetalでは選択されません。 - 権限の設計 — どちらもシェルやファイルを実際に操作します。特に常駐させる場合は、触ってよい範囲を先に決めてください。
- 残高切れ — 残高を使い切るとリクエストが拒否されます。エラーが分かりにくいときは、まずダッシュボードで残高を確認してください。
MCP で両方から同じツールを使う
Hermes も OpenClaw も MCP クライアントとして動きます。FastMetal の MCP サーバーを繋げば、メインのモデルはそのままに、別モデルへの相談・複数モデルの比較・画像生成をツールとして追加できます。設定は URL とキーだけです。
まとめ
Hermes と OpenClaw は競合というより担当が違うツールです。コードは Hermes、常駐業務は OpenClaw。どちらもモデル非依存なので、FastMetal のキー1つで両方を賄えます。まずは少額を入金して、1〜2週間の実消費を測ってみてください。